成年後見等の問題

我が国において少子・高齢化の問題が取り沙汰されるようになってから、大分年月が経過しました。実際に、人口比率において高齢の方の割合が増加し、これに対し若い方の割合が減少しています。

このような情勢にあるため、判断能力に乏しい高齢の方が詐欺や違法業者との取引といったトラブルに巻き込まれることも少なくない状況にあります。また、血縁の方が高齢になり生活の面倒を見なければならないが遠方に住んでいるためそれをすることができない、同居している高齢の方が認知症になってしまい必要な契約をしてもらわなければならないがそれをしてもらうことができない、といったことで困る方も多く見られるようになりました。

成年後見等に関する制度は、必ずしも高齢の方に限られるわけではないですが、このようにご本人となる方の判断能力が不十分であることによる困難に対処するために設けられた制度です。

後見人等がつくことによりできることの例

  • 判断能力が十分ではないにも拘らずご本人がしてしまった契約を取り消す(取消権)。
  • 施設に入所する契約をしてもらいたいにも拘わらず判断能力が十分でないためこれができないご本人に代わり契約をする(代理権)
  • 配偶者が亡くなったために保険金を受領してもらいたいにも拘らず判断能力が十分でないためこれができないご本人に代わり受領のための手続をとる。

後見人等の種類

法律上、ご本人の判断能力の状況に応じて、後見/保佐/補助といった制度が設けられており、ご本人のためになしうる権限の範囲が異なってきます。

後見人であればご本人に代わって契約等の法律行為を行うこと、判断能力が十分ではないにも拘わらずご本人がしてしまった契約等の法律行為を取り消すことといった広範な権限が認められます。

これが保佐、補助となるごとに代理できる範囲や取り消せる範囲が狭められていくことになります。もっとも、実際に後見を相当とするか、それとも保佐や補助を相当とするかは、医師の診断書に基づき判断することになります。

後見人や保佐人、補助人になることができるのは専門職に限られたことではありません。ご本人のご家族の方であっても就任することができます。とはいえ、未成年者等後見人等になることができない方についても法律に規定されているのでご注意ください。

後見人をつけるための手続

  • 家庭裁判所に後見等開始の審判を申し立てる(後見等開始の審判申立て)。
  • ご本人の判断能力に問題のなかったころに予めご本人と契約をする(任意後見契約)。

まだ後見等の制度が広く世間に浸透していないということもあってか、後見等開始の審判を申し立てるという手続で後見人をつけることの方が多いように思います。

後見等開始の審判を申し立てることができる人

  • ご本人
  • 配偶者
  • 4親等内の親族

そのほか検察官や未成年後見人、保佐人や補助人、それらの者の監督人なども申し立てられることになっております。

当事務所にご依頼いただいた場合

予め任意後見契約の締結をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。

後見等開始の審判の申立てをご依頼いただく場合は、その申立てを行うとともに、ご希望がある場合は当事務所の弁護士が後見人等に就任するように手続を行います。その際ご依頼者様からいただく費用としては、後見等開始の審判の申立にかかる着手金・報酬金及び実費のみであり、後見人としての活動に対する報酬はご依頼者様からはいただきません。後見人としての活動に対する報酬は、家庭裁判所の決定に基づき、ご本人の財産の中からいただくことになります。