よくあるご質問

成年後見人についてよくあるご質問を掲載しています。

成年後見人

祖母が悪徳業者に騙されて変な契約をしたりしないか心配ですが、どのような場合であれば成年後見人を付けることができますか?

成年後見人を付けるためには家庭裁判所において後見開始の審判を受けなければなりませんが、この後見開始の審判を受ける要件として民法は「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある」ものと規定しています(民法第7条)。

具体的には、認知症などのために、自ら意思表示することができないような状況にある場合などが挙げられます。したがって、老いにより多少判断能力が衰えた程度の場合には、成年後見人を付けることはできません。


「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある」とは誰が判断するのでしょうか?

最終的に、その方に対し後見開始の審判を行うかどうかを決定するのは裁判所ですが、裁判所も医療のプロであるわけではないので、裁判所が独自に判断をするわけではありません。
被後見人となる方の主治医に診断書を書いてもらい、これを後見開始の審判を申し立てる際に提出します。

裁判所は、この主治医の診断書に基づき、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況」にあるかどうか判断することになります。

なお、このような診断書の書式は、東京地方裁判所の場合ですが、裁判所に備え付けられていますので、これを主治医に渡し、書いてもらうことになります。


祖母は認知症との診断を受けましたが、まったく意思表示ができないとまではいえません。このような場合でも、やはり後見開始の審判を受けることはできないのでしょうか?

後見開始の審判を受けるための要件は、前の質問にあるように、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況」にあることですので、まったく意思表示をすることができないわけではなければ後見開始の審判を受けることは難しいと思います。

但し、成年後見開始の審判以外にも、保佐人を付けるために保佐開始の審判、補助人を付けるために行う補助開始の審判という制度も存在し、これらであれば受けられる可能性はあると思います。


後見開始の審判と保佐開始の審判、補助開始の審判では何が異なるのでしょうか?

まず第1に要件が異なります。
保佐開始の審判を受けるための要件として「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分」と民法は規定しています(民法第11条)。また、補助開始の審判を受けるための要件として「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である」と民法は規定しています(民法第15条)。

このように、判断能力が後見開始の審判を受けられる程度にまで失われていない場合にも執り得る手段はあります。そして、このような事理弁識能力が著しく不十分なのか単に不十分なのかについて裁判所は、後見開始の審判の場合と同様、主治医の診断書に基づき判断することになります。

第2に、成年後見人と保佐人、補助人では権限の範囲が異なります。
最も厳格な要件により付される成年後見人には、被後見人の行う法律行為につき包括的な代理権が認められ、被後見人が成年後見人の同意なく行った法律行為については同意する権利及び取り消すことのできる権利も認められています。
次に厳格な要件により付される保佐人については、一定の法律行為についての同意権は認められていますが、包括的な代理権は認められてなく、代理権の付与を受けるためには別途家庭裁判所に申し立てる必要があります。
一番緩やかな要件により付される補助人にも同意権は認められていますが、保佐人よりも認められる範囲は狭くなります。
また、代理権の付与を受けるためにはやはり別途家庭裁判所に対し申し立てる必要があります。