よくあるご質問

個人民事再生についてよくあるご質問を掲載しています。

個人民事再生

住宅ローンを支払いながら債務を返済していくことはできますか?

個人民事再生は、すべての借金について同一の割合で圧縮し、その額の返済を完了することで残りの借金についての免除を受けるという制度です。このように、原則として、すべての借金を圧縮しなければならないところ、住宅ローンに関しても同様に圧縮しなければならない、と考えられそうなものです。

ところが、個人民事再生の手続においては、個人の所有する住宅というものの重要性に鑑み、借金の整理を行うため住宅を手放さなければならないという事態を回避するため、例外的に、住宅ローンについては支払いを継続することができる手続を取ることができます。これを住宅資金特別条項といいます。この住宅資金特別条項をつけることにより、住宅ローンを支払いながら個人民事再生を行い、借金を返済していくことが可能になります。

個人民事再生の手続は、このように借金の整理を行うために住宅を手放さなければならないという事態を回避することができる手続、というイメージからか、住宅ローンについても他の借金と同じく圧縮することができ、なおかつ住宅を手放さないで済む、と思われている方が時々います。しかし、住宅ローン会社との取り決めどおりに支払うことができなければ、当然のことながら住宅は手放さなければならないことになります。


裁判所へいく必要がありますか?

手続をどのように行うか、ということについては各裁判所の運用に委ねられています。したがって、一概に、必要がある/必要はないということはできません。

代表的な例として東京地方裁判所の運用を紹介いたしますと、東京地方裁判所の場合は全件、個人民事再生手続を監督する個人再生委員という人が選任されます。この個人民事再生委員と、申立てを行ってから1回は必ず面談をしなければなりません。この個人民事再生委員は、謂わば裁判所の出先機関のようなものであり、個人民事再生委員と面談する以外に、裁判所に出頭することは求められません。

さらに横浜地方裁判所の運用を紹介いたしますと、横浜地方裁判所においては、特に弁護士に依頼することなくご自身で個人民事再生の申立てをした場合には個人民事再生委員が選任されますが、弁護士に依頼して個人民事再生の申立てをした場合には個人民事再生委員も選任されないことが殆どだったりします。

そして、それ以上に、裁判所に出頭することも求められないのが殆どです。


再生計画中に返済が滞るとどうなりますか?

途中で支払うことができなくなれば、債権者から督促が来ることになります。その督促が来ても、これに対し対応することができない、となれば、債権者は個人民事再生手続を終了することを裁判所に対し求めることになります。結果、個人民事再生手続が終了するとなれば、借金の一定の割合での免除があくまで圧縮した金額の支払い完了を条件としている以上、借金の一定の割合での免除が受けられないということになります。

結果として、途中で支払うことができなくなった場合というのは、ほぼ自己破産の手続に移行しなければならないことになります。